紅茶の香り成分”ホトリエノール”の摂取が睡眠改善に有効

~ホトリエノール含有食品の経口摂取により、
良好な睡眠が維持され、スムーズな寝起きに導くことが示唆~

ニュースリリース
2023/03/28

三井農林株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役社長:佐伯 光則)は、”ホトリエノール”の経口摂取がストレス意識および睡眠に及ぼす影響について、論文を発表し、薬理と治療(ライフサイエンス出版)に掲載されました。”ホトリエノール”含有食品の長期摂取により入眠潜時および離床潜時,中途覚醒時間が短縮したことから、眠りにつきやすく、良好な睡眠が維持され、スムーズな寝起きに導くことが示唆されました。

薬理と治療 ホトリエノールの経口摂取がストレス意識および睡眠に及ぼす影響―ランダム化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー比較試験― 
URL:https://www.pieronline.jp/content/article/0386-3603/50090/1709 

概要と背景 

三井農林は、筑波大学 矢田教授の研究指導のもと、紅茶の香りの有効性について研究を進めてまいりました。ダージリン・セカンドフラッシュの香りには自律神経系の交感神経活動を抑制するリラックス効果があること、さらにダージリン・セカンドフラッシュに特徴的な香り成分の”ホトリエノール”が有効性に関与していることを明らかにしました。リラックス効果のある”ホトリエノール”には日中の過多なストレスで高まった交感神経活動を抑制し、不眠症状を改善する効果が期待されます。そこで、紅茶の新たな機能を探るべく、”ホトリエノール”摂取が睡眠に及ぼす影響について試験研究を行い、睡眠改善効果があることを明らかにしました。今後は、機能性表示食品の開発などヘルスケア関連への応用展開が期待されます。  

研究トピックス 

被験者は43名、ホトリエノールを含有するタブレット形状の食品と非含有食品を各3週間摂取する、クロスオーバー試験を実施しました。  

1.ホトリエノール含有食品を摂取することで、非含有食品と比較して、睡眠の質の良さを示すピッツバーグ総合スコアが有意に低下することを確認しました。 

OSA因子スコア

2. ホトリエノール含有食品を摂取することで、非含有食品と比較して、主観的な睡眠感を示すOSA因子スコアのうち、入眠と睡眠維持(寝つきの良さと睡眠維持に対する満足感)が有意に上昇することを確認しました。 

OSA因子スコア

3. ホトリエノール含有食品を摂取することで、非含有食品と比較して、客観的な睡眠の状態を示す睡眠変数のうち、入眠潜時(ふとんに入ってから眠りにつくまでの時間)と離床潜時(目が覚めてからふとんを出るまでの時間が有意に短縮しました。また、睡眠中の中途覚醒時間がホトリエノール摂取により有意に短縮する他、睡眠効率が有意に上昇することを確認しました。  

睡眠変数
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著者について 

大野敦子 
三井農林株式会社 R&D本部 基礎開発部 機能性開発室
2001年 三井農林株式会社に入社、(旧)食品総合研究所に配属。茶成分分析、茶の官能評価業務に従事。2018年 ティーインストラクター認定。現在は、R&D本部 基礎開発部機能性開発室にて、紅茶の嗜好性、紅茶の香りの機能性に関わる研究を担当。 

矢田幸博  
筑波大学大学院 人間総合科学学術院 グローバル研究院
ヒューマンバイオロジー学位プログラム 教授

1984年 花王石鹸株式会社(現:花王株式会社に入社。皮膚生理機能に関する基礎研究に従事。この間、留学を経て、1992年 医学学位習得)。1995年に当時のスキンケア研究所に転属。2001年 ヒューマンヘルスケア研究所にて睡眠研究、香り研究および温熱生理研究によるヘルス&ビューティーの開発研究に従事(現:主席研究員)。2010~2021年まで久留米大学大学院心理学研究科客員教授、この間、タイ王立皮膚科学研究所の特別研究員、中国やインドネシアのウダヤナ大学医学部の客員教授等を歴任。2011年より筑波大学大学院人間総合科学学術院教授兼務(~2023年3月現職)。研究分野は、皮膚有効性研究、温熱生理研究、国内外の生活者実態研究、香気成分の有効性研究、高齢者研究、睡眠研究、ストレス評価研究など。著書は、近著「不定愁訴の統合生理学と商品開発~美・健康・老化予防と有効性評価試験」など多数。 

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